
バンコクの空は気にしない!「おうち時間」で始める、中高齢者のための賢い体重管理術。
「今日も外は霞んでるし、一歩外に出れば汗だくか…。エアコンの効いた部屋が一番だね」。
バンコクの暮らしでは、そんなふうに思う日も少なくないですよね。若い頃ならまだしも、この歳になると、PM2.5やうだるような暑さの中をわざわざ運動のために出歩くなんて、ちょっとした苦行にすら感じてしまいます。
そうやって、ついつい家でゴロゴロ過ごす時間が増えて、気づけばズボンのベルトの穴が一つ外側に…なんて経験、ありませんか? 体が重たいと、なんだか心までどんよりしてくるから不思議なものです。
でも、実はその「おうち時間」こそ、これからの人生を軽やかに楽しむための、絶好のチャンスなのかもしれません。
この記事では、我慢や根性論は一切なし。バンコクの気候や環境をむしろ味方につけて、快適な室内で無理なく始められる、ちょっと賢い体重管理のコツをご紹介します。
【第1章】分かっちゃいるけど…なぜシニアの体重管理は難しいのか?
「昔と同じように食べているのに、なぜか体重が増えていくんだよなぁ」。そんなぼやき、聞こえてきそうです。それ、気のせいでも、あなたの努力不足でもないんです。年齢を重ねると、私たちの体にはちゃーんと変化が起きているんですよね。
まず、基礎代謝という、何もしなくても消費されるエネルギー量が少しずつ減ってきます。若い頃より燃費の良い、エコな体に変わっていく、と言えば聞こえはいいかもしれませんが、要は「食べた分が余りやすくなる」ということなんです。
それに加えて、食の好みも変わりませんか? こってりした肉料理より、あっさりした麺類やおかゆが恋しくなる。すると、筋肉の材料になるたんぱく質が不足しがちになり、ますます筋肉が減って代謝が落ちる…という、ありがたくない悪循環に陥ってしまうことも。
動くのが億劫になり、さらに筋肉が落ちる。まさに「負のスパイラル」。でも、ご安心ください。この流れを断ち切るカギは、意外と身近なところにあるんです。
【第2章】「減らす」より「満たす」! 幸せになる食事術
体重管理と聞くと、つい「あれはダメ、これも我慢」なんて引き算ばかり考えてしまいがち。でも、せっかくグルメ天国のバンコクにいるのに、そんなのあまりにも寂しいじゃないですか。
シニア世代の食事術は、発想をガラッと変えて**「体に良いもので、賢くお腹を満たしてあげる」**という足し算で考えてみましょう。
- 今日の主役は「たんぱく質」筋肉は、私たちの体を支え、動かすエンジンのようなもの。その大切なエンジンを動かす燃料が、たんぱく質です。肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品。これを、毎食、自分の手のひらくらいの量を食べるように意識してみてください。朝食にカオトム(タイのお粥)を食べるなら卵を一つ足してみる、お昼のクイッティアオ(タイの麺類)にはルークチン(つみれ)を多めに、夕食にはプラーヌンマナーオ(魚のレモン蒸し)を。ほんの少しの意識で、体は確実に変わってきます。
- おやつは「第4の食事」です小腹が空くのを我慢して、夕食でドカ食い…。これ、一番避けたいパターンです。おやつは我慢するのではなく、「栄養補給のチャンス」と捉えましょう。甘い菓子パンの代わりに、ヨーグルトや豆乳、ナッツや果物を選んでみる。それだけで、体はきっと喜んでくれるはずです。
- 水分補給も忘れずに汗をかくことが多いバンコクでは、知らず知らずのうちに水分不足になりがち。水分が足りないと、体の巡りも悪くなります。喉が渇く前に、こまめに水を飲む習慣をつけましょう。
【第3.章】天気不問!「インドア生活」がジムになる運動術
さあ、ここからが本題です。「運動のためにわざわざ外に出るなんて…」そんな必要は全くありません。あなたの快適なご自宅や、いつもの生活動線が、最高のフィットネスジムに早変わりするんです。
- リビングでできる「ながら運動」
- テレビがコーチ!「椅子スクワット」: ドラマやニュースを見ながら、椅子の前に立ってゆっくりお尻を落とし、立ち上がる。これだけで下半身の大きな筋肉が鍛えられ、転倒予防にも繋がります。10回を1セットとして、CMの間にでも試してみてください。
- 座ったまま足踏み: ソファに座ったまま、太ももを意識して交互に持ち上げるだけ。これだけでも、意外と血行が良くなりますよ。
- キッチンでできる「ついで運動」
- 料理をしながら「つま先立ち」: スープを煮込んでいるちょっとした時間に、かかとを上げ下げ。ふくらはぎがキュッと引き締まるのを感じるはず。
- シンクで「壁腕立て伏せ」: 食器を洗い終わった後に、シンクに手をついて体を斜めにし、ゆっくり腕を曲げ伸ばし。無理なく上半身が鍛えられます。
- 【裏ワザ】涼しい「ショッピングモール・ウォーキング」これぞ、バンコクの都市生活者の特権です!PM2.5も厳しい陽射しも関係ない、涼しくて安全なショッピングモールの中を歩いてみませんか? 最新のショップを眺めたり、カフェで一休みしたり。友人とのおしゃべりを楽しみながら歩けば、気づいた頃には結構な運動量になっているから不思議なものです。
【第4章】体重管理は「未来の自分へのプレゼント」
最後に、この新しい習慣を楽しく続けるための、ちょっとしたコツを。
それは、**「完璧を目指さない」**こと。たまには友人と美味しいものをたくさん食べる日があったっていいんです。大切なのは、そんな日があっても「まあ、明日からまた調整しよう」と、ゆるやかに続けられること。
そして、できれば毎日体重計に乗ってみてください。数字に一喜一憂するためではなく、自分の体の変化に気づくためです。ほんの少しの変化が、続けるモチベーションになったりします。
もし持病がある方や、体に痛みがある方は、必ずかかりつけのお医者さんに相談してくださいね。あなたの体を知り尽くした専門家こそ、最高のパートナーになってくれるはずです。
【まとめ】
バンコクの空模様に、私たちの健康や気分まで左右される必要なんてありません。
むしろ、快適な室内で賢く体を動かす知恵は、これからの時代を生きる私たちにとって、大きな武器になります。今日ご紹介したことは、どれも「よし、やるぞ!」と意気込むようなものではなく、いつもの生活にそっとプラスできるものばかり。
その「ほんの少しの工夫」という名のプレゼントを、未来の自分に贈ってみませんか。きっと、今よりもっと軽やかで、笑顔の多い毎日が待っているはずですから。
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