
2026年8月の動き
情報確認日:2026年9月1日
今月は、前回「官報待ち」だったビザ免除短縮が正式決定しました。
日本人のビザ免除滞在は、2026年9月15日入国分から原則30日になります。
加えて、DTV申請には居住資格証明と犯罪経歴証明が追加されました。終活では、タイのe-Living Willと医療情報システムの連携が進んでいますが、外国人が同じ条件で利用できるかは未確認です。
1|ビザ免除60日が30日に短縮
確認できた事実
タイ内務省は8月31日、ビザ免除制度を改定する告示を官報に掲載しました。
日本は30日間のビザ免除対象国に含まれ、新制度は2026年9月15日から施行されます。
- 9月14日までの入国:入国時に認められた滞在期限が有効
- 9月15日以降の入国:原則30日
- 陸路のビザ免除入国:原則として暦年2回まで
- 空路入国:告示上、陸路と同じ年間2回制限は設けられていない
ただし、空路なら何度でも必ず入国できるという意味ではありません。最終判断は入国審査官にあります。
実務上の見方
短期滞在者には「30日減った」だけですが、ビザ免除を繰り返して実質的に住んでいた人には大きな変更です。
住居探し、銀行口座開設、ビザ切替、退職後の移住準備を60日間で予定していた場合、日程の組み直しが必要になります。
入国後の延長許可については、申請時点の入管運用を確認してください。ビザ・滞在資格の個別判断には専門家への確認が必要です。
2|DTV申請が厳格化
8月31日から、Destination Thailand Visa(DTV)の申請書類に次の二つが追加されました。
- 申請する国・地域の永住・長期居住資格を証明する書類
- 国籍国または居住国が発行した犯罪経歴証明書
8月31日より前に申請された案件は、従来の基準で審査されます。在大阪タイ王国総領事館・DTV必要書類変更
実務上の見方
観光滞在中の第三国でDTVを申請する方法は、原則として難しくなったと考えられます。
日本在住者が日本から申請する場合に、具体的にどの書類が「居住資格証明」として受理されるかは、申請公館の最新案内を確認する必要があります。
今回の変更は新規申請の書類要件です。すでに発給されたDTVの有効性が一律に失われるという発表ではありません。
3|VAT7%の延長が正式決定
7月時点では閣議承認段階だったVATの延長について、8月19日に勅令第807号が公表されました。
実質7%のVATは、2027年9月30日まで維持されます。タイ歳入局・新法令一覧
外国源泉所得、年金、海外からの送金に関して、8月中に移住者全般へ適用される新たな公式改正は確認できませんでした。
「新しい改正がない」ことと、「海外送金が課税されない」ことは別です。税務居住者判定、所得の発生年、送金時期、日本で納めた税金との調整は、引き続き個別に判断されます。
日タイ租税条約を含む判断には、タイの税務専門家への確認が必要です。
4|生活費は燃料と交通費に注意
9月1日時点で公表されている最新の消費者物価指数は7月分です。8月分はまだ確認できません。
7月の総合CPIは前年同月比1.95%上昇しました。主な要因は燃料価格と、それに伴う交通費の上昇です。タイ商務省・2026年7月物価報告
バンコク生活では、家賃だけを見て生活費を判断するとズレます。タクシー、宅配、航空券、輸入食品など、燃料と為替の影響を受ける支出を分けて記録したほうが実態をつかめます。
5|旅券申請が少し便利に
8月25日から、国外転出者向けマイナンバーカードを持つ在タイ日本人は、マイナポータルアプリからパスポート申請ができるようになりました。
ただし、新しいパスポートの受領は本人出頭が必要です。また、タイの長期滞在許可がある場合、受領後に入管で旧旅券から新旅券へ滞在許可を移す必要があります。在タイ日本国大使館・パスポート手続
終活の観点では、パスポートとマイナンバーカードの暗証番号、連絡先、保管場所を家族と共有する必要があります。ただし、暗証番号を紙に書いて旅券と一緒に保管する方法は避けたほうが安全です。
6|e-Living Willの医療連携が進展
8月20日、タイ国家健康委員会は、e-Living WillをThaiD、モー・プロム、パオタン、ターンラット、Health Linkなどと連携させる方針を公表しました。
医師が必要なときに終末期医療の意思表示を確認できる仕組みを目指しています。タイ国家健康委員会・8月20日発表
未確認事項
日本人など外国人が、タイ国民と同じ手順で登録・本人確認できるかは未確認です。
現段階では電子登録だけに頼らず、次の方法を併用するのが安全です。
- タイ語と英語で書面を作る
- 配偶者、主治医、信頼できる親族が同じ内容を持つ
- 利用する病院のカルテに登録できるか確認する
- 蘇生、人工呼吸器、経管栄養、緩和ケアの希望を具体的に書く
医療意思表示の有効性や運用には、医師・病院・法律専門家への確認が必要です。
7|バンコクの安全面
8月12日夜、エアポートレールリンクのマッカサン駅に隣接する緑地内の道路で、日本人が少年らに石で頭を殴られ、金品を奪われる事件が発生しました。容疑者は全員逮捕されています。在タイ日本国大使館・集団強盗事件
夜間の駅周辺でも、人通りが少ない裏道や緑地を一人で歩かないことが重要です。
また、大使館は8月17日、殺人、傷害、暴行、DV、不同意性交などの重要犯罪被害者を対象とした日本語弁護士無料相談を案内しました。1事件につき最大3回、1回30分以内です。重要犯罪被害者弁護士無料相談サポート
8|終活分野の変更確認
8月中の公的発表を確認した範囲では、次の分野で外国人へ直接影響する全国一律の重要な制度変更は確認できませんでした。
| 分野 | 8月の確認結果 |
|---|---|
| 遺言・相続 | 新たな全国制度変更を確認できず |
| 資産整理・銀行 | 外国人向け全国共通の新規規則を確認できず |
| 介護 | 外国人を対象とした新しい公的介護制度を確認できず |
| 葬儀・火葬 | 手続き変更を確認できず |
| 遺骨の日本搬送 | 大使館手続きの重要変更を確認できず |
| 医療保険 | 外国人高齢者向け全国一律の変更を確認できず |
| 住宅所有・賃貸 | 外国人の所有・契約制度の重要変更を確認できず |
「確認できず」は「変更が絶対にない」という意味ではありません。地方役所、病院、銀行、保険会社による運用差は残ります。
死亡時には、死亡登録証の取得、旅券の失効処理、火葬記録、遺骨証明、日本側への死亡届という流れが基本です。在タイ日本国大使館・死亡時の手続き
遺言・相続・不動産・銀行預金などの個別処理には、日タイ双方の専門家への確認が必要です。
今月やっておくこと
- 9月15日以降に入国する人は、30日滞在を前提に日程を見直す
- DTV申請者は、居住資格証明と犯罪経歴証明を先に準備する
- パスポート更新予定者は、受領後のタイ滞在許可転記まで予定に入れる
- リビングウィルは電子版だけでなく、タイ語・英語の書面も残す
- 遺言、保険、銀行、旅券、死亡時連絡先の保管場所を配偶者と確認する
今月の最大の変更は、やはりビザ免除30日化です。観光制度を使った「半分移住」は、制度上も実務上も続けにくくなりました。長く住むなら、滞在目的に合った資格へ移る時期に来ています。
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